京都魔界ツアー⑥

⑥ 迎え鐘の引き綱


引き綱の部分をアップにすると、こうなる。お参りする人は末端に赤い布を巻きつけられたこの綱を引くと鐘が鳴る。

京都魔界ツアー⑤

⑤ 珍皇寺の迎え鐘


ここはお盆の時期に「お精霊さん(おしょらいさん)」と呼ばれる先祖の霊をお迎えする行事が行なわれる。だから、ふつうの寺の違って、撞木をついて鐘を鳴らすのではなく、撞木に取り付けられた綱を引いて鳴らす。

京都魔界ツアー④

④ 六道珍皇寺


一般には「ろくどう・ちんのうじ」と呼ばれるが、直接お寺の方にたずねたところ「ちんこうじ」と呼んでいるとのこと。

『京都魔王殿の謎』では、ここが魔界ツアーの第一スポットとなる。小野篁が夜な夜な、珍皇寺の井戸から冥界へ降りていって、閻魔大王の書記を務めたという伝説がある。

石碑にある「六道之辻」とは、ここが冥界との境界線を意味しているものでもある。

京都魔界ツアー③

③ 京都駅外「石の博物館」


多くの通行人があっさり通り過ぎ、ここに注目する人はきわめて少ない。京都駅中央口を出た真ん前に、新しい京都駅に使われている世界の石の標本が、こうやって何本かの柱の周りに飾られている。

だが多くの人は、これをたんなるデザインだと思っているようだ。

京都魔界ツアー②

② 京都駅メインエントランス


京都駅は中央改札口の吹き抜けが圧巻である。だが、その壁面にも注目してほしい。世界各国から取り寄せた、さまざまな種類の石が壁に張り込まれて、特有の雰囲気を醸し出している。

Catalog No.2

「魔界百物語」作品紹介カタログ  No.2



【目次】
・P1   「魔界百物語2」SEASON I『京都魔王殿の謎』
・P2   『京都魔王殿の謎』目次
・P3   『京都魔王殿の謎』プロローグ1
・P10 京都魔王殿の謎』プロローグ2
・P14 「魔界百物語3」SEASON I『幻影城の奇術師』発売告知


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Vol.02


第2巻『京都魔王殿の謎』は、タイトルとおり謎が謎を呼ぶ!

梶原秀夫(ノアズブックス 出版プロデューサー)




壮大な物語の幕開けに相応しい『妖精鬼殺人事件』が発売されて、反響はたいへん好評である。


ミステリーの醍醐味を味わえた、という声を多く聞いた。関係者の一人としては、嬉しい限りである。




第2巻の『京都魔王殿の謎』も、期待を裏切らない。いや、それ以上だろう。


吉村達也氏の「ミステリーの王道をいく」という志が、我々の想像を超えた結末を生み出したのだ。


編集者として驚くというより、一読者として震えるような読後感だった。これはすごい、と思った。


数カ月前に読んだ原稿を、校正で改めて読み直した。読者の驚く顔が目に浮かぶ。


作家は孤独な作業をしている。頼るは、自分の頭脳だけだ。
出版プロデューサーといえども、出来上がったものに意見は言えても、作家が物語を創りだす手助けはできない。


この結末を考えだした作家の頭脳に、敬意を表したい。




この後、第3巻、第4巻、第5巻と続き、ここでSEASONⅠが終わり、QAZの正体が明かされる。


QAZは、この2巻までに登場している。だが、その正体は、読者にも私にもわからない、と作者は強く言う。


この挑戦状に、どう答えるか――。楽しみはつきない。




エンタテインメントのミステリーを届けたいと思う。読み出したら止められないような作品を。


これこそ、まさに吉村達也の真骨頂だ。期待していただきたい。


まずは、謎が謎を呼ぶ『京都魔王殿の謎』をお楽しみください。

京都魔界ツアー①

はじめに

「魔界百物語」第2弾の『京都魔王殿の謎』では、美しすぎる超能力者・鹿堂妃楚香の主催による京都魔界ツアーが展開します。

このカテゴリーでは、みなさんにもそのツアーに参加していただいた気分になって、京都の魔界をご案内します

写真は少しずつ、何日おきかに足していきますので、ときどきチェックしてみてください。きっと、第2巻をお読みになるときの臨場感が増すはずです。


① 京都タワー


京都駅に降り立った観光客は、必ずこの京都タワーをカメラに収めるのは間違いない。しかし、方角のことまでは意識しないだろう。

京都駅を背にして、京都タワーを見たとき、あなたは北の方角を向いている。それだけではない。京都駅から北へ延びている烏丸通(からすまどおり)はほぼ正確に真北を指している。

ということは、それと直角に交わる横の通りもまた、ほぼ正確に東西を指していることになる。

京都中心部の道路が碁盤の目になっていることは地図で見れば明らかだが、それがきっちり東西南北に沿って走っているというところが重要だ。

つまり京都とは、街じたいが磁石になっているといってよい。だから、古来より風水の思想によって都は支配されてきた。